藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。

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2020年04月03日

  

えとせとら, 免疫

たまたま若い方のツイートで、親御さんが感染したようだけど症状も軽くアスピリンを飲んで寝ていれば大丈夫だと思っていたら重症化して救急搬送されたという書き込みを見かけました。 2009年の新型インフルエンザ騒動の際に「アスピリンは飲まないで」と昨今よくTVに出られる岡田晴恵氏が声を大に叫んでおられましたが、ウイルス感染症にかかっている時に免疫抑制剤を飲んだらよくないのは当然です。臓器移植を受けているとか特殊事情がある場合は已むをえませんが。 今回はWHOがイブプロフェンはどうもよくないような曖昧な言い方をしていましたが、「よくありません!」。 解熱鎮痛剤は基本的に免疫抑制剤です。 どうも風邪かな、まさかコロナか、いやインフルエンザかも、、、 とりあえず何かは分からなくても熱が上がってくると解熱剤をのんでしまう習慣が定着しているのは非常に危険なことです。 解熱剤の中でもアセトアミノフェノンは作用が緩やかなので、どうしても高熱が辛い、苦しいという時は飲むならアセトアミノフェノンですが可能な限り解熱剤は飲まないのが基本です。 漢方も多くが免疫抑制系なので迂闊に飲まない方が無難です。漢方はものすごく種類が多く、免疫刺激系のものもありますし、そんな単純なものではありませんが、漢方ならそんな副作用もないんだろうと専門家の診断や処方もなく安易に飲むのはやめておいた方が無難です。 

 

インフルエンザに感染した際に解熱剤は不用意に飲んではいけないということはある程度浸透したのかと思っていましたが、昨今、軽症者は自宅待機ということになってきましたので、医師に相談もなく、自分で解熱剤を飲む人は多いのかもしれません。 インフルエンザかなと思ったら病院へ、とかつてマスメディアがよく呼びかけていたのに対して、病院へウイルスもってくるな、という反論が方々から上がり、やっと今回の新型コロナウイルス騒動では軽症者は自宅待機が周知徹底されてきました。 またインフルエンザだと「思う」と連絡して会社を休もうとする社員に「診断書をもってこい」と無茶を言う企業も多かったようですが、これも確定診断めんどうなんだし、いちいちそんなために医療機関に来るな、と医師を中心に批判の声が多かったですが、重症者は救急搬送でも何でもとにかく然るべき医療機関へ、軽症者は自宅で様子見というすみわけができてきたのは好ましいことです。そうしないと病院がパンクしますから。 かといってウイルス感染者が自宅に籠って、どうも気分も滅入り、食欲もあまり出ない中で暖房を入れ過ぎて乾燥し、脱水症状になりながら免疫抑制剤である解熱鎮痛剤を飲んでいるのだとしたらこれは重症化リスクを高めることになります。体調が悪い時に無理に食べるのもよくないですが食べるということは本人が思っている以上に水分を摂っているので、食が細る場合はそれだけでかなり水分不足になっているかもしれません。少しずつ飲みやすいお茶でも何でも水分補給を絶やさないようにしないと危険です。

ウイルス感染が刺激となると大量のインターフェロンが放出されます。ウイルスは案外、何もしていないでただ増えているのですが、そしてバースト、つまり感染細胞内で増殖して細胞外へ大量のウイルス粒子が飛び出し、感染していた細胞が死滅することで結果的に特定組織の細胞の大量死となって傷害作用を発揮するわけですが、多くの症状はウイルスに対する免疫反応が引き起こすものです。熱もウイルス感染が引き金になって放出されるインターフェロンが体温上昇を指示し、今は動くな、じっとして内部に侵入した敵と闘えということで、ぼ~~っとしたり、やる気がなくなったり、関節や筋肉がだるくなったりと、ほとんどが免疫にエネルギーを集中するため、外敵と戦ったり獲物を獲りに行ったりしないようにそれこそ「自粛モード」に免疫系が体全体を誘導します。がん細胞は熱に弱くはありませんが、ウイルスは一般に体温上昇によって増殖にブレーキがかかったり、ウイルス分解酵素の活性が上がるのでウイルス粒子を排除する効率が高くなります。高熱が続き過ぎると体力を消耗しますが、発熱は理由があって誘導されているものなので、ウイルス感染症で上がっている熱を下げるのはウイルスを助けることにもなってしまいます。一方、ウイルス感染細胞だらけになってくると好中球などの免疫細胞が猛攻を仕掛け、そして猛攻し過ぎて大量の炎症爆弾で猛爆し、激し過ぎる炎症で肺がボロボロになったり最悪、孔があいたりすることもあります。薬である程度ウイルスの邪魔をするものもいくつか商品化されていますが、ウイルスを掃討し、ウイルス感染症を治す薬はありません。免疫の力でウイルスを排除しないといけないのですが、今度は免疫の暴走によって重症化を招くという一面もあります。いずれにせよ、鍵は免疫の挙動にあります。とりあえず軽症の段階では免疫力を低下させるのは重症化を招きかねないので免疫抑制系の薬剤は忌避すべきです。

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