藤井真則のブログ

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TOP > 北朝鮮のミサイルの後にくるもの

2017年09月05日

  

えとせとら

2017.9.2.

 

 

 

北朝鮮のミサイルを巡る報道が続いています。

 

ある芸能人の方が、

米朝の掛け合いの結果

日本がミサイルを買わされているんだから

北朝鮮は、米国に協力してるだけなんじゃないか

という類の発言をされたそうですが

そういう面もなくはないのでしょう。

 

本気でミサイルを撃ち込む気なら

いきなり撃ってくるでしょう。

撃つぞ、撃つぞ、と宣伝し

日本に迎撃ミサイルを買わさせてから

撃つのは理屈に合いません。

 

 

ただし、今回は、かつてない実態を伴う危機と

なってきています。

今までと同じに考えてはいけない状況が

整ってきています。

 

ミサイルが飛んでくる可能性もないとは言えず

また、飛んできてもこなくても、北朝鮮が崩壊すると

その後には、かなりひどい状況になる可能性があります。

 

北朝鮮がイラクのようになると、周辺に武装勢力が

進出し、周辺国がシリアのようになる可能性もあります。

周辺国というのは、海を隔てているからといえ

当然、日本も含まれます。

 

 

 

北朝鮮の歴史というと、朝鮮戦争から始める人が

多いのですが、建国は、その前です。

建国以来の歴史を紐解けば、米国依存体質が

見えてくるはずですので、ご興味のある方は

調べてみてください。

 

シンプルに申し上げると、北朝鮮をつくったのは

米国です。 中国も韓国もそうです。

これらの国は、歴史上存在しない、と言うと

もう、4分の3世紀、存在してきたのですから

少し言い過ぎ感はありますが、20世紀になるまでは

これらの国は存在していません。

 

米国は戦前から国民党を支援し、

当初は、蒋介石も毛沢東もみな同じ組織の

メンバーでした。その後、内部分裂などが

ありましたが、戦後、米国を中心とする大国の思惑によって

東アジアは分割され、中国、北朝鮮、韓国、

と、それぞれの国とされたものです。

最初から、資金や金融システム、エネルギー、

軍事など、国の基幹システムは米国が握ってきました。

 

 

ただ、どういう背景があるにしろ、ないにしろ、

仮に北朝鮮が、米国にコントロール

されていたにしろ

そうではないにしろ、

何からの偶発的な事件なり、事故なり、暴走なりにより

ミサイルが飛んでくることがあるかもしれません。

 

ミサイル防衛は本気で考えるべきです。

 

 

更に、米国民間軍事会社に大きな動きがあります。

主な「仕事場」であった中東方面から

手を引き始めています。

おかげで、シリアやレバノンに漸く

復興へ向かう兆しが見えてきました。

それはいいのですが、民間軍事会社は

休むことより、仕事をして稼ぐことを

考えます。

次の「仕事場」へ向かうとすると、

北朝鮮崩壊後の占領政策の

実行という可能性が考えられます。

これは、ミサイルよりも怖ろしい事態を

引き起こす可能性があります。

 

イラク侵攻の主力となった民間軍事会社は

動員兵力において米軍を上回っていました。

幹部は、元海軍特殊部隊シールズをはじめ

各国の秘密警察のエリートなど、150ヶ国以上から

集めた精鋭で、訓練を受け、給与もリーダークラスは

一人4~5千万円、米軍の正規兵が、4~5百万円レベル

でしたので格差は歴然でした。

どこの出身者であっても、米国グリーンカードがもらえ

米国民として、イラクの法で裁かれることはなく

軍務に服しているという理由で米国市民法の規制は受けず

かといって、米国軍人ではない、という理由で

軍法会議にもかけられない、つまりどこの法の支配も受けず

イラク国境を自由に出入りできる特権の塊であり

予算は、最低でも数兆円、たぶん、それ以上。

空軍や海軍までもつ、という今や地上戦をやらせば

世界最強の軍隊です。そして、公然とシリアへ侵攻し

シリアは無茶苦茶な状態に陥りました。

余りの傍若無人な振る舞い、

書くことも辛いですが、

一般人に対する容赦なき虐殺行為に対して

米軍からも非難の声が上がり

上院の調査委員会でも徹底して

民間軍事会社の行動を問題とする

証言を繰り返すのは、米軍の正規部隊幹部でした。

給与格差の不満もあるのでしょうが

住民感情を極端に悪化させ、

占領政策を困難にしている上

自分たちまで、身の危険を感じるほど

治安を悪化させている、その元凶が

他ならぬ米国の予算で行動する

民間軍事会社だと、主張しました。

この民間軍事会社の予算を急増させ、

シリアへの地上侵攻を強行に主張していたのが

ヒラリー氏でしたので、先の大統領選において

最低の大統領に決まってよかった、最悪の

大統領にならなくて、というある御方の御言葉は

的確この上ない、と感心しました。

 

この連中、次の就活運動中、と考えると

それも、火種は中東から、東アジアへ移っていると

なると、救いようのない悲惨な状況が迫ってきている

ということになります。

 

 

北朝鮮崩壊後に起こることの方が

遥かに実際に発生する可能性が高いことと

考えますが、ミサイルについても

飛んでこないと決めてかかっていると

大変なことになるかもしれません。

 

 

なお、パトリオットミサイルの対弾道弾バージョンは

射程が短いので、拠点防御用です。

あれで全国をカバーするのは現実的ではありません。

 

湾岸戦争のころは、イスラエルに参戦しないよう

説得するため、パトリオットミサイルを大量配備し

イラクのスカッドミサイルを撃ち落とすからと「約束」

しましたが、結果は失敗に終わりました。

実は、当時でも、砲弾くらいなら本当に直撃により阻止する

ことはできたのですが、弾道弾のスピードになると

はなから無理だったのです。

それを訓練に9ヶ月かかるから、と

パトリオットミサイルをよこせというイスラエルの

要求を跳ね返し、米軍のパトリオットミサイル部隊が

そのままイスラエルに展開し、

イスラエル軍にパトリオットミサイルの性能が

ばれないようにしながら、別途、スカッドミサイルを

発射する前に地上撃破するシナリオでした。

実際には、スカッドミサイルを発射前に

潰すことはできず、何発かイスラエルに

落ちてきましたので、イスラエルは激怒します。

この時、イラクが発射していたスカッドCミサイルは

北朝鮮製でした。

合計500発を購入し、3割ほどをイランイラク戦争で

使った残りでした。

 

その後、パトリオットミサイルの改良が進みましたが

北朝鮮のミサイルもスカッドCとは異次元レベルに

進歩しています。

パトリオットミサイルは、どこまで改良しても、

ミサイル本来の機能が

地上部隊と行動を共にする機動力を有し、

つまり小さく、軽くつくってあり、

同行する部隊の上空の防空なので、

これで日本全土をカバーするのは

無理があります。

 

 

船に載せるスタンダードミサイルの方が

大型で、射程距離が長い分だけ、

広範囲の防空に使えるのですが、

肝心のイージス艦が、訳のわからない事故で

2隻やられてしまいました。

他の海域から補充するとしていますが。

イージス艦だって、衝突する時はしますが

なぜ、立て続けに2隻も民間船舶と衝突するのか

非常に違和感があります。

艦隊司令官の更迭もやむを得ないところですが

新任司令官が、どういう背景をもっているかは

今後の動向を占う上で重要です。

ともかく、イージス艦は、稼働率やら

射程範囲を考えると、現状のままで、

「たっぷり揃っている」ことにはなりません。

地上発射型のスタンダードミサイルを展開し、

イージスシステムで制御するというのは

最も現実的な策でしょう。

 

レーザー砲は、丈夫な弾頭を破壊するには

向いていません。

 

たとえば、戦車の装甲をレーザー砲で攻撃すると

装甲の金属がプラズマ化し、

プラズマガスによって、レーザー光が散乱して

しまい、すぐに威力が落ちてしまいます。

弾道弾の場合は、猛烈なスピードなので

プラズマガスも発生後すぐに吹き飛ぶにしても

そもそも、レーザーのエネルギーで

弾道弾ミサイルの、異常に硬い金属の塊を

ハードヒットするのは無理があります。

 

日本も、高出力レーザーによる迎撃システムの

開発を予算化したそうですが、あくまで、発射後

上昇中に照射し、ミサイルの筐体を熱で変形させるのが

目的としています。これでは、核弾頭を積んでいる場合

どこかへ落ちてきて爆発するかもしれませんが

少なくとも、当初の目的地から狙いをそらすことはできます。

 

問題は、突然、ミサイルを発射されて、

日本本土上空に降ってくれば迎撃するのに

躊躇は不要ですが、まだ、ミサイルが上昇中に

それがどこを狙っているのか、瞬時に解析し、

これは海にポチャん、ではなくて、

日本の主要部を狙っている、と判断した場合に、

ここまで何分もかからずに、

すかさず高エネルギーのレーザー照射、

電源スイッチ入れて、すぐには撃てないものですが、

これを瞬時に実行という段取りになります。

そんなことが現実的にできるのでしょうか。

 

日本本土を狙っていないコケ脅しミサイルに

レーザーを照射して、狙いがそれて日本本土に

落ちてきたら、しゃれにならないではすみません。

 

高出力レーザーは、米軍ないし、自衛隊などが

北朝鮮に先制攻撃をかけ、撃ち漏らしたミサイルが

報復として、発射された際に、問答無用で無力化する、

先にこちからから攻撃する際の反撃阻止

そういう使い方と考えられます。

 

また、レーザーは天候の影響を受けやすく
大気中では、大気の密度ムラによって屈折しやすくなります。
宇宙空間なら直進しますが、静止衛星軌道にレーザー砲を
上げるのは、とてもエネルギーがいる上に、弾道弾の軌道より
異常に高く離れすぎてしまいます。 かといって、低高度に
レーザー砲を「静止」させることはできず、猛スピードで
地球をぐるぐる回ることになるので、少々、大量配備しても
隙をつかれれば終わりです。
都市ひとつくらいまかなえる大容量発電ができる
大型機にレーザー砲を搭載し、最低4機以上そろえ
常に、1機が迎撃可能状態でレーザーが直進しやすい
成層圏付近を飛び続ける、これができれば
威力がありますが、高出力レーザー砲ともなると
かなり大きいので、ガスレーザーではなく
発光ダイオードをビッシリ並べる、とか
何らかのイノベーションが必要です。
最も、既存テクノロジーを流用しやすい
地上発射ということなら、天候を選べるのは、
「仕掛ける側」ですから、先制攻撃の際の
反撃阻止に向いています。

 

レールガンというのもあります。

砲弾を発射する際、薬莢に詰めた炸薬の爆発力で

砲弾を加速する代わりに、電磁力を使って

砲弾を引くというか、押し出すというか

猛烈な電力を必要としますが、通常の砲弾より

一桁遠くまで飛び、スピードが速い分、威力も

あります。

 

この砲は、かなりの機密だったのですが

トランスフォーマーという映画に

米軍の大サービスで、それまで

民間に映像公開していなかったものが

次々に「出演」し、レールガンも重要な役を

与えられ、登場しました。

 

日本でもレールガンの開発は行われています。

 

映画でも、百数十キロ離れた洋上から

巨大な化け物に一発で直撃し、粉々に

吹き飛ばすことに成功していますが

水平に撃つなら何百キロ届いても

「上」に向けて撃つとなると、よっぽど

巨大で、膨大な電力を注がないと、

射程範囲が狭すぎ、また、最後の精密誘導を

別途行わないと、弾道弾に直撃させることは

不可能です。

今のところ、迎撃用にすぐに使える代物では

ありません。

 

大砲の飛距離というと、第一次大戦中は、

200キロを超えるものがざらにありましたが

第二次大戦中でも、フランスから仰角3度の

ほとんど水平に発射された砲弾が、英国本土を

飛び越えて大西洋に落ちてしまった、というのが

ありました。ホッホドルックプンペ砲という

名前も長い大砲です。レールガンは、更に

遠くまで高速の砲弾を飛ばすことができますが

結局、弾道弾を迎撃する誘導には、レールガンで

ミサイルを発射するしかありません。

むしろ、敵のミサイルを発射前に地上撃破する使い方に

向いています。 通常の護衛艦クラスでは

電力が十分ではありませんが、原子力潜水艦に

搭載すれば、突然、浮上して、攻撃することも

可能です。

といっても、潜水艦は、普段、みつからないように

無線が届かない深さまで潜っているため

始めから決め撃ちの奇襲以外は無理です。

レールガンは、巡航ミサイルよりもはるかに高速であるため

北朝鮮がミサイル発射準備を始めて即座に潰すには

向いています。

米海軍は、ステルス鑑に

搭載する構想を進めてきましたので

沿岸を哨戒中に、危機を察知すれば、

地上攻撃という使い方になります。

 

 

マイクロウェーブの交叉照射は標的を瞬時に

8000度Cまで加熱し、プラズマにして原子レベルで

分解し、特に、硬い金属には収束しやすいので

威力は期待できますが、強力なマイクロウェーブ発生器から

マイクロウェーブが漏れないようにするのは簡単では

ありません。 また、二か所から一定の確度をもって

照射する必要があり、超高速で落下する弾道弾を狙うのは

現実的ではありません。

 

実戦で使ったこともないものを補助的に準備しておくのは

いいのですが、まずは、オーソドックスで実績のあるものを

整備しておくべきです。

 

 

ところで、迎撃して、完全に破壊できるのか、何か落ちてくるのか

あるいは、迎撃すると核爆発を起こさないのか、色々と

不安に思われる方が多いようです。

 

 

核爆弾をもっていることは、様々な角度からの分析で

まず間違いないでしょうが、「核弾頭」については

もっているんだ、と北朝鮮は主張していますが

確認はとれていません。

 

迎撃しても、破片は落ちてきます。

とんでもないスピードで落ちてきます。

直撃すれば、かなりの被害です。

 

B29の高高度爆撃は、さっぱり目標に命中しなかったのに

高射砲の破片が落ちてきて、その方が被害が大きかった

ということもありましたが、空を高速で飛んでくるものを

迎撃すると、こちら側が確実に無傷、というのは難しいです。

 

なお、核弾頭がついているとして、迎撃によって、これが

爆発するというのは考え難いです。 絶対にないとは

言えませんが、北朝鮮が保有するのはプルトニウムなので

このタイプのものは、爆発させるのに超高精度な制御が

必要で、弾頭が破損すれば、正確に爆発させるのは

難しいでしょう。 但し、放射性物質はまきちらされます。

 

地上付近で核爆発を起こせば、広島・長崎クラスか

それ以上の被害もあり得ます。米露が保有する巨大な

核弾頭なら、何桁も違うレベルの破壊力がありますが、

北朝鮮の所有する核燃料では、そこまで大型のものは

つくれないと考えられています。

 

また、数百キロとか、高高度で核爆発を起こされると

発生する電磁エネルギーによって、ほとんど電子システムが

破壊ないし、暴走すると考えられています。

こうなると、原発の制御システムから、発電所、輸送機関

金融、あらゆるものが無茶苦茶になります。

停電には無停電装置や緊急発電システムなどの備えがありますが

電磁嵐には、これらの対策は効果がありません。

 

 

こういう風に考えていくと、発射する前に潰してしまえという

危険な議論にはまっていくのですが、北朝鮮のミサイルも急速に進歩し

今では、いきなり撃つことができます。

つい何年か前まで、保存が効かない液体燃料だったため

燃料注入に時間がかかる、とか、専用発射台がないと

撃てなかったので、上空からよく見える、とか、

事前に察知することができたのですが、最近は

移動式の発射装置から、ポンと立てればすぐに発射可能で

燃料も、入れっぱなしの液体や、固体燃料など

バリエーションが増えています。

 

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