藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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TOP > 化石賞2年連続日本が受賞、石炭火力依存が原因

2017年11月12日

  

えとせとら

日本が化石賞を授与されたと報道されています。

 

これは恐竜の化石の研究に功績があったという意味ではなく化石燃料をドカドカ燃やしているというような趣旨のもので正式には第23回国連気候変動枠組み条約締結国会議いわゆる「COP23」において、とあるNGOが地球温暖化防止に消極的な国として日本をナンバー1 としたものです。

 

理由は石炭火力発電と原子力発電の普及に積極的ということのようですが、原子力発電というのは放射能汚染の問題はあるものの炭酸ガスを放出しないので地球温暖化防止にはむしろ貢献すると一般には語られています。

 

もっとも原子力発電というのはおそろしく発電効率が悪く膨大な熱量を一般に海水中に放出するので必ずしも温暖化防止に貢献しないという意見もあります。敦賀湾に面した美浜原電だけで湾の海水が一日に2回入れ替わる量の温排水が放出されていました。3号機も4号機も稼働していた時代の話ですが。 あの温排水の凄まじい水流を見れば誰しもが感動? 戦慄? どちらかすると思います。 温排水溝付近は巨大化した大ハマグリのようなサイズのアサリがどかどか獲れ、貝殻はお箸でつまむだけで崩れるので食べていて気持ちのいいものではありませんが、外洋性の大型魚が「温排水海流」で綺麗になる湾内に大群で突入してくるため刺し網を張っとくと私でもドカドカと釣り名人もうらやむほどの大漁となりました。

 

 

それはさておき、日本が石炭火力発電の増強に積極的なのは事実です。

 

原子力発電の建設はまだ続いていますがどのみち限界があります。夏場の昼のピークをはじめとして電力需要には季節変動や日内変動がありこれに合わせて発電量を調整する必要がありますが原子力発電は「微調整」が苦手であり総発電量の3~4割を原子力でまかなうとそろそろ限界になってきます。

 

フランスは原子力発電の比率が高いですがそれは自らは原発をつくらないドイツに電力供給しているから可能なことであって自国のみの需要と供給をとことん原子力で合わせていくのは無理があります。

 

 

水力発電については新設はありません。ダム建設による環境破壊がすさまじいからです。

 

 

太陽光発電もシリコンウェハーの製造のためアマゾンや北朝鮮の森林の急激な減少を招いたわけですが(あれをつくるのに大量の木材が燃やされます)そもそも発電量自体が大したことなく代替エネルギーの中ではデンマークの風力発電くらいがやっとのこと頑張っている程度で、結局、原子力以外でメジャーなのは火力発電ということになります。

 

 

原子力、LNG火力、石炭火力、風力、水力、一通り発電ビジネスは経験しましたが石炭火力は何といっても日本の「主力」であり古い設備は廃棄しますが新設計画がいくつも動いていました。

 

なぜ石炭なのか。

 

 

中国から買わなければいけないから、です。

 

 

なぜといってもそれは戦後賠償なのでまだまだ続くのです。

 

日本が悪い、日本は石炭火力をやめようとしない、など言われる筋合いはありません。ならば戦後賠償やめさせてくれと、言い返せばいいのです。石炭買えと命令したのは戦勝国なのですから。

 

 

LNG火力は原料のLNGの採掘・製造・輸送・貯蔵すべてに巨大専用設備が必要で何せ液体窒素で冷やさないといけないので袖ヶ浦をはじめ臨海にバースや大型貯蔵施設を集中させ近場で発電に使うのが基本になります。米国では長大なパイプラインで内陸輸送しますが土地が狭くて山が多い日本でそれは無理があります。LNGは購入といっても概ね20年間以上の長期契約になるのでこれもそう臨機応変に発電量を調整とはいきません。

 

またLNGの輸入価格の決定において日本の場合は戦後賠償の所与である中国からの石炭火力用の燃料炭の輸入価格をベースに石油価格を加味した上で同一カロリー当りの単価を合わせることになります。

 

あくまで日本の電気は、中国産石炭を燃料とする石炭火力が基本なのです。

 

 

ただし石炭火力はそう旧式で悪いものというわけでもありません。

 

LNGと違って、「そこらへんに置いておける」燃料なので小分けして内陸を含め各地へ輸送することも可能です。内航船で他の港へもっていくならそれほど輸送コストもかかりません。

 

石炭をスラッジ状にしてさらにガス化しジェットエンジンと同じ構造のガスタービン発電を行い、排ガスもボイラーで完全燃焼させる、つまり一般的な蒸気タービン発電として二次利用し、更に排熱を有効利用すれば熱効率80%を中小型発電の実用レベルで実現可能です。

 

通常の火力の熱エネルギー → 電気エネルギー

この高い効率は組み合わせによってはじめて実現するもので単一の火力発電システムでは変換効率はどんなに頑張っても4割までいきません。送電コストを抑えるべく地方の需要地域に小サイズの発電施設を分散させ固形の燃料を運び、需要に合わせた発電量の調整も容易、というものです。

 

中国産の石炭には硫黄分が多く、これがSOX大量発生の原因となってきましたが、今日では脱硫装置の装着は当たり前になっていますので石炭火力が大気汚染の元凶のように言われた時代とは違います。

 

 

ただし中国内での石炭の採掘では数千人? あるいはそれ以上という犠牲者がでているとされています。 粉塵が舞い上がる劣悪な環境下で崩落事故や爆発事故なども多いとされていますが、あの国のことですから真相はわかりません。

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