藤井真則のブログ

このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
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2016年06月11日

  

えとせとら

2016.6.10.

タイトルと内容がかい離してきましたが、、、

古代の金属技術は、
今日の最高級品位のものより4~5桁も
純度が高い 超高純度金属を用いるなど
なかなか高度なことをやっていたようです。

日本列島では、超高純度金属が
ごろごろ落ちていた、黒鉱という
合金の巨大な塊が、方々に埋まっていた
また、砂鉄も豊富に産出しました。

もうひとつ、重要な金属供給ソースは
「芦原」 です。

古事記は、「豊芦原の中津国」 から始まります。

古代、日本列島と言えば、今日の大平野は
ほとんどが海原で、切り立った崖に荒々しい波が
打ちつける「親不知子不知海岸」状態の
地形が続いていました。

奈良盆地は、当時としては、「大平原」だったのです。

紀元前数世紀~紀元5世紀ころまで
今日の大阪市は、ほとんど海でした。

上町台地が突堤のように南北に突出し
北の先端が帝国ホテルがあるあたり
渡邊の浜、根っこには、後日、四天王寺が
建立されます。

この「突堤」のため、東側には
巨大な汽水湖である河内湖が広がります。

底部には海水が広がり、上部には
淡水が広がり、両者は比重が大きくことなるため
あまり混じりません。

こうした淡水と海水の二層の海とはいえない
あえていうなら川なのですが、河川の最下流域に
広がる、汽水湖 という言い方をします。

日本列島には、河内湖のほか、今日でも宍道湖や
十三湊(青森)として知られる巨大な汽水湖が
三つあり、これらは、いずれも有力な金属の供給地と
なりました。

大量の酸化鉄がコロイドとして河川水に懸濁され
流れてきます。下流で流れがゆるくなると沈殿しやすくなる
のですが、淡水の酸化層から、空気に触れにくい
海水の還元層に移行すると、酸素を放出して
鉄になろうとします。

この時、芦は、海水と淡水が混じる環境でも平然と
生育し、ライバルがいない状況下、広大な芦原を
形成します。 表面には、シリカの微小なとげが
突き出ており、これがとっかかりとなって
金属が結晶として析出します。

ラッパ状に広がった金属片は、やがて先端が内側に
丸まり、「すず」と呼ばれる状態になります。

内部に、金属球がいくつもできることがあり
このすずをつるして、振ると、リンリンと音がします。
このすずの成分で一番多いのが「錫(スズ)」です。

他にも、鉄、銅、金、銀、水銀など、多くの金属が
含まれています。

この「すず」の成長を速めるため、
銅鐸をたたいて、刺激を与えていたと
されています。

大量生産向きとはいえませんが
豊富な種類の金属を安定的に
生産できる汽水湖は、

「この国は、豊かな芦原が広がる
中津(河川中にできた中州を利用した港)の国」

と言わしめるほど、重要な拠点となりました。
なお、汽水湖は、港としても良好、特に、フナムシが
わきにくい、メチオニンや、システイン等のアミノ酸が
淡水層と海水層の境界層で自然に合成されるため
大量のシジミがわき、これが貴重な食料源になる
など、他にもいくつもメリットがあります。

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