このブログはリンパ球バンク株式会社の社長時代に、会社社長ブログとして会社HP上に掲載されていたものです。ちょうど還暦を迎えるタイミングで社長の責を後任に譲り一時は閉鎖しておりましたが、再開を望まれる方もいらっしゃるため、別途個人ブログとして再掲載するものです。ANK療法という特定のがん治療に関しては、同法の普及のために設立されたリンパ球バンク株式会社のHPをご覧ください。
本ブログは、あまり標準的ではない特殊な治療の普及にあたり、「常識の壁」を破るために、特に分野は特定せずに書かれたものです。「常識とは、ある特定の組織・勢力の都合により強力に流布されて定着したからこそ、常識化した不真実であることが多い」という前提で書かれています。
TOP > NK細胞培養の困難さ(3)
2010.10.10.
(前回の続きです)
さて、多くの免疫細胞療法が培養期間を2週間としているのは、
血清のパワーを利用しているから、なのですが、2週間というのは
血清パワーが持続している期間とお考えください。
もちろん、条件次第ですので、2週間と決まっているわけではありませんが
おおむね、それくらい、培養しているとT細胞は1000倍以上に増えていて
NK細胞は、ほぼ活性がなくなっている、という状態になって、
それ以上、培養すると、死んでいく細胞が増えるだけです。
さらに、血清を加えて培養期間を3週間に延ばしているところもありますが、
特に意味があるわけではありません。
血清パワーは、同時に、「よくわからないもの」による細胞増殖阻害として
働くこともあります。 ただ、いれればいい、というものでもありません。
完全に培養条件を管理し、大量の培地を用いて、常に培養環境を
最適化するには、血清の使用に頼る簡便な培養技術は
実用的ではありません。
一方、完全無血清培地による大量培養となると、培養技術者の
要求水準がはねあがります。