2009.8.27.
 
 
以前、就職直後に、アフリカへ行って本物の末期がんを
集めて来い、といわれた話を書かせていただきました。
日本には末期がんはいない、とも言われました。
確かに、アフリカには、すくすくと育った巨大な末期がんが
見受けられ、メートル級というとオーバーですが、
何十センチの腫瘍があっても、平気で生きている方が
いらっしゃいました。 


日本で、がんで亡くなる方は、統計上、年間30万人を
越えていることになっていますが、これは、死亡診断書の
死亡原因に「がん」と書いてあった、というケースを
事務的に合計したものです。。。
 
本当にどうだったかは、分かりません。
 
最後は、心臓が止まったので心停止、つまり心不全と
書くお医者さんもいれば、「がん」と聞いていたから、
まあ、「がん」と書いておこう、というケースもあるでしょう。
 
人がなぜ亡くなるかは、医学的には、わかっていません。
昔のように、健康なまま自然死を迎える方は、ごく稀で、
最後は、全身が痛んで亡くなる方が殆どですが、
この状態で、一つの原因で死に至ったと診断するのですから、
そもそも無理な話です。
また、今は、がん患者さんが、確定診断を受けた病院でずっと
治療を受けられるケースは少なくなっています。
診断書を書くお医者さんは、患者さんのことをよく知らない人の
場合もあります。
 
「がん患者」数となると、もっと分かりません。
新規がん患者は年間30万人程度という「話」も
ありましたが、これでは、がん患者さんは全員、
がんで亡くなることになります。
推定がん患者数の数字は、発表されるたびに大きくなり、
60万人を越える数字まで登場しました。
これなら、死亡率が下がったように見えます。
ところが、実際のところは、誰も数えていないのです。
 
前回、「限局」性、つまり発生部位にじっと留まっているタイプの
がんは、胃がんの場合で5年生存率が九十数%に達する、
一方、「遠隔」性、発生部位から離れたところまで転移するタイプの
がんは、胃がんの場合の5年生存率が3%という統計をご紹介しました。
この統計は、割と熱心にがん患者の登録を行っていると考えられている
5府県の数字を基に、がんセンターがまとめたものです。
残りの都道県では、統計を取る基礎的な体制が整っていないのです。
 
 
さて、では肺にがんができたとして、それが原因で亡くなる、
ということがあり得るでしょうか。 
肺に10センチの腫瘍の塊があれば、多少、呼吸は苦しいでしょうが、
それが致命傷になるとは限りません。
胃に孔があいてしまえが、これは大変なことになります。
膵臓の消化酵素が活性化され、大量分泌されたら
内臓が溶けてしまいます。
脳に数センチの腫瘍があっても、自覚症状は様々です。
延髄の中枢を腫瘍が浸潤すると、これは命はないでしょう。
致命的な部位に侵入しない限り、少々、がんの組織が大きくなったと
しても、それで、人が死ぬということはありません。
 
「限局」性のがんの5年生存率が高い、これは考えてみれば
当たり前のことです。 
 
盛んに転移をするタイプのがんの場合、方々に散るわけですから
致命的な部位をヒットする確率が上がります。
また、見えないだけで、微小分散がんの大群は細胞総量としては
膨大なものになります。 これらが免疫を抑制すれば、正常な生命機能の
維持が難しくなります。 また、悪液質、体液がドロドロに粘る状態を
招き、死に至る場合もあります。
 
画像診断可能な大きな腫瘍の塊を取り除く。
これは、がん細胞の総量を減らす→がんによる免疫抑制を弱くする
その意味では重要です。
ですが、転移を盛んに行う、真に危険なタイプの
がんを制圧し、患者さんの生存確率を上げるという
本来の目的を考えれば、補助的な療法でしかないのです。