2009.8.19.
セミナーなどで、最も多い質問の一つが、
ANK療法はどの部位に有効あるいは、効果がないのか?
というものがあります。
部位はあまり関係ありません、と答えると、怪訝な顔をされます。
がんは、全身性疾患です。
それを局所療法である
外科手術や放射線で治療するから、
治らないのです。
(化学療法剤で、がんが治らないのは別の理由ですが)
正式な医学用語ではありませんが、所謂、がんもどきや、
局所性、つまり、発生部位から遠出しないまとまるタイプのがんは、
もちろん、局所性疾患ですが、患者さんを僅かの例外を除いて
死に至らしめる、転移性向の強いがん、遠隔転移を起こすタイプの
がんは、全身性疾患です。
悪性度の高い転移性向の強いがんは、
がんと診断された時点で、既に、転移しているのです。
ですから外科医は、開腹手術をしても、
あ、これは、「遠隔」タイプだ、とピンとくると、
すぐに「蓋を閉めて」しまうのです。
下手に切ったら、全身に散った転移層が猛烈に増殖を始めてしまいます。
目に見える大きながんを取り除いても、全身に散ったがんが急増殖を
開始すれば、結局、余命は短くなることを知っているのです。
日本のがん治療は外科医が主導してきました。
手術においては、部位によって手技が異なる訳ですから、
発生部位別に専門科に分かれていくのは当然の流れです。
研究も統計も何でも部位別に分かれています。
もちろん、部位によって診断の難易度やコストが異なる、とか、
実際、原発の部位による特徴的な性質の違いというのはあります。
ところが、部位別分類に拘ると、真実が見えなくなってしまいます。
早期発見なら、まあ、大体、半々位の確率で助かる、、、
そんな風に、統計数字が見えてしまいますが。
限局性と遠隔転移を伴うものに分けてみると、
前者は、5年生存率九十数%、後者は、数%以下。
がんの性質を見るには、部位よりも何よりも、どれだけ転移性向が
強いかが、予後に決定的な影響を与えます。
そして、標準治療単独では、遠隔転移は手に負えないのです。
ANKの大きな特徴は、標準治療が手を出せない遠隔転移を抑える
パワーがある、ということになります。
部位別にどうのこうのと言ってると、こうした本質的なポイントが
見えなくなってしまいます。
また、ハーセプチンという抗体医薬品は、HER2抗原強陽性のがんに
特に有効なものです。 ところが、保険適用になったのは「乳がん」からです。
乳がんの全てがHER2強陽性ではなく、また、他の部位のがんにもHER2強陽性
タイプが存在します。 ハーセプチンは、乳がんに効く、効かない、ではなく、
HER2抗原強陽性に効くかどうか、で評価すべきなのです。
科学的な事実と、臨床上の分類が、合っていないのです。
危険ながんは「全身性疾患」です。
どこの部位であろうと抑えることができなければ、
つまり特定部位のみに効果がある局所療法は、
つまり特定部位のみに効果がある局所療法は、
危険なタイプのがんを最終的に制圧できない、ということです。
本当に患者を死に至らしめるがんに有効な治療法は、
当然、部位など関係なく効果を発揮するものに限られるのです。
「この部位は得意だけど、あの部位は苦手」
それはつまり、本物のがんに対して、効かない! ということです。
ちなみに、微小分散がんというのは、小さいから安全か、というと
そうではありません。 数が多いと、がんの総量は膨大なものになります。
一個が二個、二個が四個、四個が八個、と倍々で増えていきますから、
ある臨界点を越えると、急激に増えるように見えます。
画像診断では、がんが消え、マーカーも陰性、暫く、何もない、、、
と思っていたら、たった一ヶ月、場合によってたった一日で容態が急変する、
あっという間に、全身、がんだらけになってしまう。
それが全身に散った微小分散がんの恐ろしさです。
このどこにでも散ってしまう微小分散がんを叩ける療法でない限り、
悪性度の高いがんを制圧することはできないのです。





