2008.12.19.


塩の話を始めたら、急に、アクセス数が落ちてしまいました。
人気ないんですねえ、、、

間違った塩を取ってるから、がん患者が増えるんです、と書いて
しまうと、流石に、完全ノーエビデンスですから、具合悪いですねえ、
かもしれないかなあ、と、思うこともある、、、 ぐらいが限界でしょうか。

さて、草を食べる動物、草食動物は、深刻なナトリウム不足に陥ります。
こういう動物にこそ、天日塩は、「自然の恵み」になるのです。
そのため、必死にナトリウムを求め、ナトリウムとなると、なんでもかんでも
吸収してしまいます。 人間は、進化上、肉食の時期があった可能性は
ありますが、圧倒的に、草食系の時代が長かったので、やっぱりナトリウムを
口に入れてしまうと、無制限に吸収してしまいます。 カルシウムなんかは、
小腸が吸収する量が決まっているので、食品として、沢山とっても、
少ししかとらなくても、殆ど吸収量には、影響しないのです。
カルシウム不足なのではなく、リンを取り過ぎるから、リン酸カルシウムで
できた骨からカルシウムが溶け出し、問題となるのです。  
ナトリウム、リン、コレステロール、重要にして、長い長い進化の
歴史の中で、常に、不足勝ちだった物質は、食べると美味しいと感じるし、
いくらでも吸収してしまいます。 現代人は、何億年という長い歴史の中で
ずっと不足し続けてきた物質を、逆に大量摂取するという、とんでもない
ショック状態にあるのです。


サバンナでは、象が、必死にソーダ灰(ナトリウム)を探し回り、見つけるやいなや、灰色の土みたいなソーダ灰をバカバカ食べます。 その糞が草原に撒かれることで、辛うじて、ナトリウム不足を補います。 象はサバンナが森にならないように、木を切る役割ばかりか、ナトリウムを分散させる役割も担っています。 牧場の牛も放置すると深刻なナトリウム不足になるので、天日塩を固め、雨が降っても流れない特殊な加工をして、そこら辺に置いておきます。 すると牛はペロペロ塩を舐めています。

植物はカリウムを集め、ナトリウムを取り込まない傾向があります。動物も植物も細胞レベルでは、カリウムをとりこみ、ナトリウムを細胞外へ放り出します。太古の海の中、ご先祖の細胞様が、なぜ、こういうことをするようになったかはよく分かりませんが、今の時代を生きる生物では、この手の特定ミネラル類をとりこんだり、放出したりする作用が、重要な生理機能を果たしています。 動物の場合は、細胞はカリウムリッチになりますが、(なので、カリウムを注射すると痛いのです。細胞が壊れたというシグナルですから)、周囲のリンパ液には沢山、ナトリウムがあり、概ね、古代の海水の成分と似ているミネラルバランスを維持しています。  その点、植物は、カリウムだけとりこんで、体液というものがありませんので、ナトリウムの比率はぐっと低くなります。 植物の方が、かつての生命の揺り篭、海への未練を断ち切っているのでしょうか、、、。 

さて、このナトリウムやカリウムを運ぶもの、ナトリウムポンプとか、カリウムポンプと呼ばれるもの。 簡単に言うと、蛋白質が重なってできた、竹輪みたいな中空チューブです。 竹輪の外壁の中ほどは油の性質をもつので、油でできた細胞膜と馴染みます。 竹輪の両端付近は、水に近い性質を持つので、細胞膜から突き出て、細胞の外と内に、チューブの口が開くことになります。 そして、ナトリウムポンプは、ナトリウムイオンがぴったり納まる入り口をもっています。 一旦、口にナトリウムイオンがはまると、わざわざエネルギー(ここで、リンが登場しますが、、、うううん、面倒なので説明パス)を使って、この蛋白質でできた竹輪の構造を変化させます。 ギュッと入り口が閉り、竹輪の内壁の一部がナトリウムイオンに接近するのですが、内壁は電気を帯びており、プラスの電気をもつナトリウムイオンを電気的な反発力で、ポン! と反対側へ押し出すのです。 ポンプというより、電磁パルス砲なのですが。 こうして、細胞は、特定の物質を細胞の外へ出したり、中へ入れたり選択的に輸送しているのです。

腎臓細胞は、血液を一旦、捨て、捨てた中から、必要な物質を再吸収して、
残りを尿として、ほんとに捨ててしまいます。 そのため、沢山の種類の
強力ポンプを大量に装備しています。  この腎臓細胞ががんになっても、
元の細胞の強力ポンプの性質はひきずっています。 そのため、抗がん剤、
特に化学療法剤を投与しても、どんどん、ポンプで細胞の外へ汲み出して
しまいます。 一種類の化学療法剤を投与しても、ポンプ遺伝子を刺激し、
ポンプを量産するので、他の種類の化学療法剤も構わず、汲み出します。
どんな細胞にも、ポンプはあり、化学療法剤の投与を続けると、いつかは
ポンプの大軍を揃え、薬剤が効かなくなる時が訪れます。 その中でも
腎臓は特にポンプが強いので、最初から化学療法剤が効かないのです。

塩の話は、もっと長編を予定しておりましたが、不評につき、
この辺で、打ち止めにしましょう。