2017.7.25.



T細胞に遺伝子操作を行い
特定のシグナルを発現する標的細胞に
対して、T細胞が傷害活性を発揮するように
するものを、CAR-T 療法といいますが
Cは、キメラの略で、複数のシグナルを
一緒に入れるのが原則です。

このCAR-T 療法、ほとんど効果なく
失敗の連続でしたが、どうにかこうにか
CD19を標的とするものについては
ある程度の効果がみられます。

ただし、CD19は、正常なB細胞の
表面に発現しており、
抗CD19-CAR-T療法は、
B細胞由来のがん細胞しか
見向きもしませんし、
正常なB細胞も傷害します。

しかも、かなり激しい免疫副反応を
誘導します。


T細胞を漠然と、がん患者さんの
体内に投与すると
どうなるか。

何も起こりません。

がん患者さんの体内の
非常に強い免疫抑制に対して
まともに抵抗できるのは
高活性NK細胞しかありません。
T細胞は、直ちに、活性低下します。


そこで、CAR-Tをつくる際には
免疫刺激を誘導する工夫をしてあります。
おそらく、それが、結果的に、過度の
免疫副反応を引き起こすのでしょう。


抗CD19−CAR-T 療法は、悪性リンパ腫に対して
「よく効く」ような報道がされていますが、
実際には、奏効しても、その後、再燃するとか
合併症による死亡率も高いなど、多くの問題があり
所詮は、T細胞に過ぎない
という一面もあります。

T細胞は、がん細胞を狙い撃つことが
できませんので、CAR-Tの標的も
がん細胞/正常細胞、どちらにもあるもの
当然、正常細胞も攻撃されるわけですし
活性を高める工夫をすればするほど
副作用が激しくなります。


そして、他にも大きな問題があります。

値段です。


近く、米国政府の承認を取得する可能性がある
抗CD19-CAR-T 療法は、現在の為替で、
治療費 7400万円です。

これで、「治る」わけではありません。


オプジーボが日本で承認された当初
1年半ほどの治療費が、5000万円で
それで、特定の部位に限って
1〜2割の患者に延命
1割の患者が、死に至る重篤な自己免疫疾患
だったわけです。

その後、半額になりましたが、まだまだ
高額であることに変わりはありません。


CAR-Tの7400万円というのは、
日本の薬価とは違いますが
単純に、薬価が7400万円だったら
本人負担が、2200万円ほど。


標準治療の費用は、進行がんの場合
2000万円以上、かかっています。
介護費や、労働機会損失などを
加えると、トータル、その倍。

世界でいうと、治療費1兆ドル
付帯費用1兆ドル です。


ANK療法の1クール、400万円強というのは
あとに残る副作用もなく、延命ではなくて
完治の可能性を狙う、ということを考えれば
「相場感」としては、ずいぶん、安いのです。


では、なぜ、政府承認を取得する医療は
値段が、異常に高いのでしょうか。

どんなコストがかかっているのでしょうか。

膨大な書類作成や、書類を作成する基になる
データをとるコストもかかりますが
何といっても、「値段」には、莫大な
利益が含まれています。


健康保険適応というのは、
非常に利益率の高いビジネスを
保証する、という意味があります。

ANK療法を保険適応にすると
おそらく、薬価は、2500万円前後くらいでしょう。
本人負担は、今の自由診療の2倍ほどになります。
当然なのですが、自由診療の方が患者費用負担は
安く済むのです。
高額医療の還付制度が使える限りは
それでも、保険適応の方が最終的な
患者負担は低く抑えられますが
今のままだと、高額医療費保障は
尻すぼみになっていきます。


さて、私どもは、CTL療法も提供しております。

これは、標的さえ、適切に入手できれば
がん患者体内に「存在していた」がん細胞に
的を絞りこんで、攻撃することができます。

実際に、顕微鏡下で、患者さんのがん細胞を
殺すことを確認した上で、CTLを増殖させています。

CAR-T療法のように、CD19以外の標的は
うまくいかない、ということもなく
固形がんであれば、概ね、どのようながんで
あっても、標的がん細胞さえ入手できれば
作成できます。

CAR-T 療法よりもはるかに応用が効く
CTL療法は、原則、無料で提供されています。


7400万円と、無料


値段に差がありますね。。。。



医療の世界は、何かが、「狂っている」のです。